大河原雄剛、大枠で生きる

銀座の不動産投資コンサルティング会社「Liferally」社長、大河原雄剛の人生日記

いつからか、収入の1%以上を寄付・ボランティア活動に充てることに決めています。以前の記事でも書きましたが、他の起業家たちの欲望の量に負けないよう、自分を鼓舞する手段のひとつとしてはじめました。

はじめた理由はなんであれ、なかなか長く続いています。そして、続ければ続けるほど、自分ができることの限界を感じます。世の中のためになにかを果たした満足感はなく、自分一人の力ではなにも変えられないだろうという無力感だけが残るようになります。

たとえば、ある児童養護施設にボランティアで伺った際のこと。何かしらの理由で親と暮らせない子供たちと触れ合い、ケアするボランティアだったのですが、虐待やネグレクトを受けていたという子供たちは悲惨でした。施設の中で、その子たちは動かないのです。食事のときも、食事の後もその場から動かずじっとしている子供たちを見て、胸が締め付けられました。

虐待やネグレクトを受けて育った子供は脳が萎縮するなど取り返しのつかないダメージを受け、学習能力や感情のコントロールなどに影響が出るそうです。そんな傷を負って大人になり、幸せな人生を送ることができるのだろうか?今日一日、自分がこの子達と触れ合ったところで何が変わるんだろう?そんなネガティブな思いしか出てこず、やりきれない思いで施設を後にしました。

かといって、政治家になれば変えられるのか?と考えても、根本から変えるのは難しそうだ。ベーシックインカムを導入したところで結局格差そのものはなくならないし、どうしても貧困層は存在してしまう。

しかし、私はこの活動をやめるわけにもいけません。経済的な理由で不幸になる人が多いのならば、お金で困る人を少しでもなくせるよう、プライベートでは寄付・ボランティアを続け、仕事では資産運用のアドバイスをしてくだけです。

日本人は不安遺伝子が多く、世界で一番不安を感じやすい民族だそうです。

不安遺伝子はセロトニントランスポーターといい、SS型、SL型、LL型の3種類があり、S型が一番ネガティブ志向に陥りやすいのだとか。そして日本人は、このS型の保有者が98%を超えるそうです。

う~む、なんだか我々は不幸な民族なようです。ここからは私の所感ですが、多くの日本人の問題は性質的に不安症なのに“リスクと向き合わない”ことに由来すると思います。

リスクについて、たいていの人は意識的に目を逸らしているか、あまりきちんと向き合っていないように思います。

たとえば経済的なリスクについて。今後の人生でいくら必要で、今の稼ぎがいくらか。今の稼ぎで残り何年生きて、それにはいくら必要なのか。計算するのにそう時間がかかることでもないのに、把握している人はほとんどいません。(このへんは以前の大枠メソッドの記事にも書きましたが)

これは日ごろの生活レベルでも同様で、私からすると信号待ちの時に車道ギリギリに立っている人も信じられないし、駅のホームで一番前に立つ人も私はリスク感覚が薄いなと感じてしまいます。

その割に多くの人は言いしえぬ不安を訴えます。結局、リスクと向き合わず、その正体を突き止めていないので不安なのではないでしょうか。

ちなみに私はリスクにとても敏感です。敏感なだけに、リスクの正体に目をつぶらずに見極めるようにしているので、あまり怖くはありません。私のビジネスである不動産投資をはじめさまざまな投資をしていますが、それも“やらないリスクの方が、やるリスクより高い”と判断したためです。

リスクをきちんと見つめれば、その原因がわかり、対策を考えて実行すれば、不安はけっこう薄れます。それでもダメだったら、とことん運が悪かった、ということで諦めるだけです。

残念ながらそれは日本の企業ではなく、スタートアップが元気なアメリカの話。

Green skyというアトランタのフィンテック企業があります。クラウドファウンディングを取り入れた住宅のリフォームローンの融資をするサービスを提供し、アプリからスピーディに申請、そして申請者の過去のFICOスコアを基に超短期間で即融資できるシステムを構築しています。

GreenSky-Mobile

この企業のサービスに私が注目しているのは、こういうクラウドファウンディング+テック+審査という座組みは不動産だけでなく、小売、外食、製造、エンターテインメントなどさまざまな業界に応用できることです。

このようなサービスがあれば、銀行を頼らずとも融資を受けることができますし、その可能性は非常に幅広い。旧来の銀行信仰のある日本に根付くのはまだまだ先だと思いますが、この仕組みを上手に確立させた企業が現われないか、注目しています。

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