今年のビジネスシーン界隈は人工知能や自動運転技術やトランプ経済と並んで「働き方」が注目される年になりそうですが、その発端になったブラック企業について。
「ブラック企業」という名前ができた頃からブラック企業は社会問題として取り上げられてきましたが、それでもこれまでこんなにブラック企業が叩かれたこともなかったですし、民意レベルでうねりになったことは初めてではないでしょうか。
それでも今なお、ブラック企業から抜け出せない人たちがいます。ただ辞表を出すだけ、たったそれだけのことですが、それでもアクションを起こさず、会社に縛られる人が多いのはなぜでしょうか。理由はいくつかあると思いますが、代表的にはこん感じかと↓
①超過労働で慢性的な睡眠不足⇨睡眠不足によるパフォーマンスの低下→労働時間でカバー→最初に戻るという悪循環
②上記の状態で思考力、判断力、気力低下。アクションを起こすエネルギーもない
③今の会社をやめても、転職できる実力がない、他では通用しないと思い込んでいる
①と②は一度ブラック企業の環境に嵌ってしまうとその状況に陥るのは理解できます。しかし、③については会社や日々の業務から離れて対策のしようがあります。
自分はどんなスキルがあり、社会的にどのくらいの実力があるのか。転職市場においてどのくらいの価値があるのか。それを知ることは社会人としてキャリアを重ねる上で大きな羅針盤になりますし、ひいては一つの企業に縛られない生き方の礎になります。
「群像の感覚」という言葉をご存知でしょうか?端的に言うと集団の中での自分のポジションや、その中で自分がどんな役割を担えるかを客観的に把握する能力のことです。
某TV番組で林修先生が「東大生の弱点は、“群像の感覚”を持っていない人が多いことだ」と発言してから広く知られるようになったと思います。
東大生は常に自分と比較する対象がなく生きてきた人が多いと思うので言葉の照らし合わせ方が逆ですが、何しろ社会人なら必要な能力であることは間違いありません。
恐らくブラック企業に囚われている人の中には、自分の能力の正確な位置取りを把握していない人が多いのではないでしょうか。
自分の価値を知るための方法はいくらもあります。社外の人たちと交わることでわかることも多いと思いますし、簡単かつ客観的なプロの意見がもらえる場として、転職エージェントに登録して自分の市場価値を教えてもらうのもひとつです。
何しろ大事なのは広く外に出て動き続けることでしょうね。文字通り、なるべく多くのサンプルが合った方が、自分のポジションもより正確にわかるというものです。
ちなみにこの群像の感覚、投資にも活かせるな~とか思っています。私の提唱している大枠メソッドも、大枠で自分の人生のゴール(大局)と今の状況(ポジショニング)を把握し、戦略を立てるやり方なので。
さてさて、今年はブラック企業&働き方問題、社会全体でどれくらい改善されるものか楽しみです。グローバル化の外圧も手伝って、じわじわと変わっていくでしょうね。
働き方が変われば、消費拡大による経済の上昇、少子化問題の改善など、解決される社会問題も多い。このうねりが、日本の未来が明るくなる糸口になることを願います。