「フラッシュボーイズ ~10億分の1の男たち~」という書籍をご存知でしょうか?映画「マネー・ゲーム」の原作者、マイケル・ロス氏の作品で、ウォールストリートを揺るがした話題のノンフィクションです。
舞台はリーマンショック後のウォールストリート。10億分の1秒の超高速取引で、一般投資家たちを先回りして取引を実行し、合法的に勝率100%の取引を行う集団が存在したそうです。HFT(High Frequency Trading)というシステムを使い、高度な演算能力をもつコンピュータで市況を判断しながら1秒に満たないナノ単位の時間で自動的な株取引を行ったのだそう。この書籍が出版され、イカサマ取引が白日の下に晒された後、ウォールストリートは蜂の巣をつついたような大騒ぎになったのだとか。
このように、世界にはとんでもなく頭が良く、ルールや仕組みの隙間をついてぶっちぎりで勝つ人たちがいます。彼らは株式市場という弱肉強食のフィールドで、まったく新しい(そしてかなりグレーな)やり方で富を得ました。世界一の市場で行われた巨大なイカサマの影響を、おそらく遠いアジアの日本に住む私たちも、うす~く受けているのでしょう。一握りの誰かが勝ち、その他大勢が負ける。資本主義社会に生きている限り、この恐ろしい構図の中に私たちは必ず組み込まれています。薄く削られていくのか、勝負に出るか。勝負に出る方法は投資はもちろん、起業、転職、自己投資などいろいろあると思います。何しろ絶えず頭脳を使い、情報を集め、判断し、動き続けることが大事なのでしょう。フラッシュボーイズのスピード感に負けないように。(こういう加熱した資本主義社会の速さ比べ、私はキライではないです。)