大河原雄剛、大枠で生きる

銀座の不動産投資コンサルティング会社「Liferally」社長、大河原雄剛の人生日記

2017年02月

「フラッシュボーイズ ~10億分の1の男たち~」という書籍をご存知でしょうか?映画「マネー・ゲーム」の原作者、マイケル・ロス氏の作品で、ウォールストリートを揺るがした話題のノンフィクションです。

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舞台はリーマンショック後のウォールストリート。10億分の1秒の超高速取引で、一般投資家たちを先回りして取引を実行し、合法的に勝率100%の取引を行う集団が存在したそうです。HFTHigh Frequency Trading)というシステムを使い、高度な演算能力をもつコンピュータで市況を判断しながら1秒に満たないナノ単位の時間で自動的な株取引を行ったのだそう。この書籍が出版され、イカサマ取引が白日の下に晒された後、ウォールストリートは蜂の巣をつついたような大騒ぎになったのだとか。

このように、世界にはとんでもなく頭が良く、ルールや仕組みの隙間をついてぶっちぎりで勝つ人たちがいます。彼らは株式市場という弱肉強食のフィールドで、まったく新しい(そしてかなりグレーな)やり方で富を得ました。世界一の市場で行われた巨大なイカサマの影響を、おそらく遠いアジアの日本に住む私たちも、うす~く受けているのでしょう。一握りの誰かが勝ち、その他大勢が負ける。資本主義社会に生きている限り、この恐ろしい構図の中に私たちは必ず組み込まれています。薄く削られていくのか、勝負に出るか。勝負に出る方法は投資はもちろん、起業、転職、自己投資などいろいろあると思います。何しろ絶えず頭脳を使い、情報を集め、判断し、動き続けることが大事なのでしょう。フラッシュボーイズのスピード感に負けないように。(こういう加熱した資本主義社会の速さ比べ、私はキライではないです。)

 

 

映画の脚本家になりたかった。

若い頃の話です。私は大学を卒業してからしばらくの間、シナリオスクールに通い、脚本家になることを夢見ていました。残念ながらそれは叶わなかったのですが、その時に身に着けた、脚本を書くための技術は今の不動産投資のビジネスにも大いに生かされています。まずテーマとストーリーを大枠でつくり、起承転結を詰め、クロージングへ向けて緻密に書き進める段取りは、私の大枠メソッドの礎になっているといっても過言ではありません。

ただ当時のことを考えた時、メンター(師匠)が欲しかったな~、と思います。私はこれまでの人生において、基本的に自分で考え、判断し、結果を出してきました。今の自分があるのも、常に自分の頭を思考で満たしていたからだと自負しています。ただそれでも、自分一人の考えには限界があると感じます。経験が少ない若い頃は尚更。昔の私にメンターがいたら、もしかしたら脚本家として花が開いたかもしれませんし、今のビジネスに進んでいたとしても、メンターがいたらもう少し早くこの位置にたどり着いていたと思います。メンティーはメンターの経験や叡智を受け取ることで、一足飛びに前に進めますからね。人生をショートカットできます。

もちろん寄り道してきたことに後悔はないです。一人でやってきたからこそ、自分で考え抜く習慣がついていますしね。でも今、ひとつの会社の社長となり、社内で知識やスキルの継承が行われているのを俯瞰から見ていると、メンターの大事さをこの年になってひしひしと感じるわけです。

タイムマシンに乗ってあの頃の自分に会いにいくとしたら、「いいメンターを見つけろよ」と言いたいですね。あ、そういう物語の脚本書こうかな…。

昨年のアメリカ大統領選以来、今やメディアはトランプ大統領一色ですね。アメリカ大統領というのはとにかく世界中の注目を集めるものですが、これだけ物議をかもす人も珍しいです。支持派と反対派に深く分断されたアメリカ国民、アメリカ・ファーストで軋む他国との関係(まぁこれは以前からアメリカ・ファーストか)、保護主義全開の経済政策でアメリカとの貿易については欧州・南米・そして日本も戦々恐々としています。特に彼が公約で掲げているNFTAの見直し、ドル安志向は日本の産業にも実質的な影響を与えそうですね。あの排他的で過激な発言は選挙時だけのパフォーマンスという声があったのに、就任直後に早速イスラム圏を中心とした特定7カ国と難民の入国を禁止し、世界を騒がせました。

このように、今のところネガティブな面ばかり見えるトランプ政権。ただし私は、日本国内の気分として、ひとつの良い流れを感じています。メディアが彼一色になったことで、日本国内の様々な問題に対する悲観的な論調が減ったような気がするのです。たとえばオリンピックをピークとした後の経済に対する悲観論、膨らむ財政赤字、人口減による経済縮小など、国内で責任を押し付け合い、いがみ合っていた問題について、パートナーである超大国にかつてない暴君が誕生したことにより、“それどころじゃない”空気が流れはじめたということですね。少年漫画によくある「敵同士が、さらに強大な敵の登場によって手を組む」展開と言いましょうか…(笑)。

投資をやっているとよくわかりますが、景気は世の中の感情に左右されるので、悲観的な、ある意味受動的な気分が流れるよりも、仮想敵なような存在への対向意識、つまり動的な気分が流れるほうがより活力を生むと思います。このまま「MAKE JAPAN GREAT AGAIN」となるといいのですが。トランプ大統領というのは、世界の怒りを一身に背負い、そうすることで世界の活性化を促進した憎まれ役として、後世の歴史書に載るかもしれませんね。それは冗談として、彼の存在でアメリカと世界がどうなっていくか、興味深く見ていたいところです。
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ところで、トランプ政権による、私の本業である不動産投資へのバタフライ・エフェクトについても考えてみました。考えた結論ですが、トランプ大統領の経済政策がどうであれ、大きく影響を受けません!なんだかドラマのない回答で申し訳ないのですが、日本人の不動産に対する信用は堅固です。不動産投資は利回りが小さく、その分ローリスクです。トランプ政権誕生でますます予測が難しい株や外為などの投資に比べてエキサイティングではないかもしれませんが、リスクの低い投資を求める方には今後ますますベストな選択肢だと思いますよ。詳しくは私の著書を見ていただければわかると思いますので、ぜひご一読ください。

 

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投資をする人と、投資をしない人。その間にはどんな違いがあるのか、ちょっと感じたことがあるのでメモ的に書き留めておこうと思います。

誤解が無いように前もって言っておきますと、投資をしないといけない、というわけでは全くなく、ここに書くのは感情抜きに純粋に「するか・しないか」の違いを考察したことのメモランダムとお考えください。

コールバーグの「道徳性発達理論」という教育理論をご存知でしょうか?人間の道徳的判断には6段階あって、下記のような段階で発展する、というものです。

1段階:罪と服従への志向…罰の回避と力への服従が行動原理。行為の善悪を判断するのは、“罰せられるか、褒められるか”という結果による。

2段階:道具主義的な相対主義志向…正しい行為は、自分自身または自分と他者相互の欲求や利益を満たすものとして捉えられる。具体的な物・行為の交換に際して、相互にメリットがあることが大事。

3段階:対人的同調、あるいは「よいこ」志向…善い行為とは、他者を喜ばせたり助けたりするものであって、他者に善いと認められる行為である。多数意見や“普通の行為”など習慣化されたことを判断基準にする。

4段階:「法と秩序」志向…正しい行為とは、社会的権威や定められた規則を尊重しそれに従うこと、すでにある社会秩序を維持することである。

5段階:社会契約的な法律志向…規則は、固定的なものでも権威によって押し付けられるものでもなく、自分たちのためにある変更可能なものとして理解される。社会にはさまざまな価値観や見解が存在するという前提で、社会契約的合意に従って行為を行うということ。

6段階:普遍的な倫理的原理の志向…正しい行為とは「良心」にのっとった行為である。良心は、論理的包括性、普遍性、一貫性といった視点による「倫理的原理」に従って何が正しいかを判断する。この段階では、この原理にのっとって法を超えて行為することができる。

この6段階は、2段階ずつ「慣習以前」「慣習的」「脱慣習的」という3つのレベルにくくられています。そしてコールバーグは、脱慣習的レベルに達するのは『全員のうちせいぜい1015%くらい』だと示唆しているそうです。

おそらく、4段階目で止まっても、なにも人生においては支障ありませんし、むしろ56段階目まで行く人が多数になると社会的には支障が出るかもしれない。ただ不動産投資をする人は、5段階目まで行っている人が多いのではないかと感じています。

いや、あくまで個人的な感覚でして、裏付けるデータもなにもないのですが。ただ、この仕事をしているとお客様の「どんな人生の到達点を迎えたいから、こんな投資をして資産を作る」という、人生のゴールとアプローチ=人生観と、それに付随する人間性まで見えてくるので、あながちその感覚は外れてもいないと思うのですが。

さて、それについての私なりの解釈なのですが、コールハーグの道徳の56段階の人間を下記のように定義します。

・ルールを守り、社会的契約に沿って生きれば失敗しないという、ある意味受動的な生き方をする人=4段階の人

・それを超えたところに真理があると考え、自分の心と頭を使ってルールを超えた判断と行動をする人=56段階の人

投資をする方たちは、雇用されている企業の給与だけでは自分のゴールに到達できないという意識があり、現状を打破するため、頭脳を使って投資をします。現実を認識し、受け入れ、行動する勇気があるかどうか。

何度もいいますが、投資をしない人がいけない、というわけではありません。ただする人としない人の違いは興味深いな、と思っている今日この頃です。

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