「なくて七癖、あって四十八癖。」人間だれしも癖があるという表現がありますが、皆さんは何か自覚的な癖をお持ちですか?

私は学生時代、椅子の上に体育座りをする少々行儀の悪い癖がありましたが、当然社会人になって直りました(笑)。こういう身体的な癖って人からも指摘されやすいので直しやすいですが、思考的な癖=バイアスはそうもいきません。これから私が話すことは、おそらく10人中10人が必ず持っていると言っていいでしょう。

12の認知バイアス」という偏見。

私も見事に全て当てはまり、このバイアスを確認しては自分の意識を微調整すること度々です。


確証バイアス

人は自分に同意する人物、または意見に同意したがる。自分にとって都合の良い意見のみを参考にしてしまうのである。

内集団バイアス

人は仲間の能力や価値を過大評価してしまう。愛情ホルモンオキシトシンの影響が大きいらしいが、この神経伝達物質は、グループ内の人との絆の強化を促すが、部外者に対しては逆の効果を発揮するそう。

賭博者の誤謬(ごびゅう)

我々は、過去の事象がなんらかの形で将来の結果に影響を与えると信じる傾向にある。例えばコイン投げ。コインが5回続けてオモテだった場合、我々は次のコイントスではウラが出る確率が非常に高いと考える傾向にある。しかし、コイントスの結果は統計的に独立であり、どの結果の確率も常に50%である。

無駄遣いの正当化

無駄遣いをしてしまったとき、その買い物がお買い得だったと正当化したことがあるだろうか? これこそが購入後の正当化という、買い物などでまずい決断をした後に気分を良くさせる一種の心理メカニズムだ。

蓋然性(がいぜんせい)無視

車のドライブに恐れを抱く人は少ないが、飛行機恐怖症の人は多い。空を飛ぶことは非常に不自然で危険な行為に思えるかもしれないが、実際には交通事故で死ぬ確率は、飛行機が墜落して死ぬ確率よりもはるかに高い。それにも関わらず人間の脳はこの明白な理屈が分からない。同様に階段からの転落や食中毒など蓋然性の高い事故よりも、テロに巻き込まれることを恐れる。

観測選択バイアス

それまで気づかなかった物事に気づくと、その頻度が増加したと思い込んでしまう効果のことだ。その格好の例が、新車を買った後で、同じ車種を色々なところで見かけるようなるケースだ。

現状維持バイアス

人間は変化を恐れる傾向にある。こうして、なるべく変化が少なそうな現状を維持できる選択をするようになる。

負バイアス

人は悪いニュースにばかり目がいく傾向がある。また、悪いニュースをやたらと信用し、良いニュースは疑いの目で見る。

バンドワゴン効果

意識されることはあまりないが、人は右へならえが大好きだ。世の中にあることが流行ると、個人の脳は機能を停止して一種の集合意識状態になり、それに追従しようとする。これは必ずしも大きな集団である必要はない。家族や職場の同僚のような小さな集団でも起こりうる。

投影バイアス

人は常に心に囚われているため、しばしば意識や選好の外にあるものを予測することが困難になる。これは投影バイアスあるいは偽の合意効果と言い、他人が自分と同じように考え、自分に同意するはずだと思い込むことの原因になる。

現在バイアス

人間は未来の自分を想像することが本当に苦手で、行動や予測はその影響を受けている。大抵の人間は楽しいことは今すぐ味わい、嫌なことは後廻しにしたがる。貯金をするより今すぐ使いたがるのも同じ例だろう。

アンカリング効果

相対性の罠とも呼ばれるこのバイアスは、人が限定的な要素しか比較しない傾向を指す。典型的な例は、「セール中の商品を買い物するとき、その値段の違いは気にするが、絶対的な値段自体はあまり気にしない」ケースだ。

(引用:ガラパイア http://karapaia.com/archives/52200463.html

 

どうでしょう。読んでいてグサグサ胸に突き刺さりますよね?どのバイアスも心当たりありませんか?

ちなみにこの話を知って以来、私が特に意識しているのが「確証バイアス」と「投影バイアス」。社長という立場ですと、誰かに反対されることも少なくなります。自分の考えこそが正しいと偏見をもつと、他者のアイデアとのシナジーもなくなりますし、自分も成長できないでしょう。

しかしこのバイアスなかなかしぶとく、バイバイするのは不可能なようです。せめて心のどこかに常にこのバイアスを意識しておいて、なるべく偏見のない判断をしたいものですね。